少し前のレッスンでのこと。ある生徒さんとのフリーカンバセーションの中で「おたまじゃくし」の話が出たのですが「あれ、おたまじゃくしってなんだっけ?!」と。
この生徒さんはTOEICも900近い点数をお持ちで日常会話は全く問題のない上級レベルの生徒さんですが、なんとその時、私までもが「おたまじゃくし」という英単語をど忘れ!!
講師なのにと反省しつつ、その理由は明白でずっと使っていなかったから。
記憶の中ではこれまで英語を話すようになった20年の英会話の中で、2度くらいしか見ていないんじゃないか?!と思うほどです。幼児レッスンでも娘の多読絵本にも、カエルは数えきれない程出ましたし、金魚もだんご虫もその他いろいろな虫も出てきましたが、たまたまおたまじゃくしに出会う機会がなかったのかもしれません。 自分用単語ノートの「生き物単語リスト」を見返すと、軟体動物 (mollusk)など難易度が高めのものが並んでいますが、その中に混ざっておたまじゃくしも!どこかのタイミングで書いたと思うのですがそのことさえ忘れていました。 ちなみに molluskも単語帳に追加されて以来、使う機会はありませんが復習できました。
そして同じ月のまた別の日のこと。 今度は別の初級〜中級レベルの生徒さんお2人がそれぞれおたまじゃくしのお話をされたのです!お2人とも小さなお子さんがいらっしゃって、時期的におたまじゃくしがいる時期だったこともありますが、会話の中でさらっとその単語 tadpolesを使っていました。
フリーカンバセーションといっても、まだすぐに会話が出てこない方には予め話したい内容を考えてきていただいているので、おたまじゃくしの話をしようと思って、それぞれの生徒さんが英単語を調べていたのですね。
前述の上級の生徒さんも私も、利益になる (profitable) だとか資産 (asset) だとかビジネスの英単語はすぐに出てきます。利益とおたまじゃくしを比べると、利益はビジネスっぽいし、おたまじゃくしは子どもが使いそうだから、利益の方が難しそう!と思うかもしれません。それでも、おたまじゃくしがパッと出てこなかったのはこれまでの使用頻度や目にする回数が圧倒的に少なかったからです。
私の前職での会社を例にとると、目にする資料やメールに profitable は頻繁に出てきても、おたまじゃくしは一度も出てきたことはありません。 profitable が分からずその都度調べていたら仕事の効率は落ちていたと思いますが、おたまじゃくしを知らなくても仕事に影響はありません。 またprofitableを知らずに通訳として売上を話す会議に入っていたら追い出されていたかもしれませんが、おたまじゃくしを知らなくても怒られることはありません!
でもお子さんがおたまじゃくしが大好きで、その話題を話せるようになりたければtadpoleはその方にとって絶対必要な単語なので、覚えた方がベター。(マストではなくベターだと言っているのは、伝えたければカエルの子と言っても伝わるからです)レッスンの中でも生徒さんが10人いれば、10人それぞれの方の「覚えた方がベターな単語」が必ずありますので、全ての方に共通の基本単語と合わせて+αで覚えていただいています。単語は山のようにありますが効率良く、頻度の高いものや必要なものから覚えていきたいですね!
そしてあれもこれも知らないと必要以上に気にしすぎて英語がまだまだできない…と悲観的にならないことも大切です。 (これも根が真面目な日本人学習者の方にとても多いです) 新語は毎年たくさん出てきていますし、全ての単語を網羅しようとするのは無理ですので、よく使うもの、そして英検準2〜2級までの単語をマスターすることを目指していくと良いと思います。
さすがにひと月で3度もおたまじゃくしの英単語を耳にして、こうしてblogにも書いてもう忘れることはないかと思いますが、また10年とか使うことがなければ分かりません。 私自身の今年の目標が「忘れた単語の復習と新しい単語で計 月100単語(年1200語)」であるのも、こうして忘れていく単語があることは避けられないし、教えている立場としてさらに幅広くもっと多くの語彙を身に付けていたいから。
この目標も実はちょっと変更したのですが長くなりそうなのでまた別の機会にします!
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